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■チカップ美恵子さん、たくさんの贈り物をありがとう。 

 冬の祭りのにぎわいが吸い込まれそうなほど、深々と雪が降り
続く日、友人のチカップ美恵子さんが逝った。

 1月末には、チカップさんのアイヌ文様刺繍展「アイヌ・ネノ・
アン・アイヌ」が、北海道文学館で開催され、1週間に1000人を
超える、これまでにない入場者数を記録、新刊「カムイの言霊」
(現代書館)が、その会場で先行発売されたばかりだった。

 チカップとは、アイヌ語で鳥という意味である。鳥のように自由に
心を飛ばすことができるチカップさんは、分筆家であり詩人であり、
すぐれたアイヌ文様刺繍家であり、そして闘士だった。

 学術書に「滅びゆくアイヌ民族」として自分の写真を無断で使われ、
更科源蔵など研究者を「肖像権裁判」に提訴したのは1985年である。
 チカップさんの最後の展覧会の会場となった北海道文学館の創設
者が、その更科源蔵であることは2月6日、札幌で開かれた「送る会」
で知った。
 
 「送る会」の会場には、チカップさんのアイヌ文様刺繍が飾られ、
祭壇には、著書、記録ノートが積まれ、娘さんと一緒の写真が立て
られ、昨年6月に退院された時の「チカップさん、お帰りなさい」
という新聞記事があり、参列した友人が「世界一の祭壇」と讃える
ほど、すばらしかった。

 チカップさんのお母さんは詩人の伊賀ふでさんで、アイヌ文化復
興に力を尽くした山本多助エカシは伯父さんにあたる。チカップさ
んが、最も影響を受けたのは、このお二人なのだろう。お二人の話は
本当に興味深く、話題にのぼることが一番多かった。
 
 短い時間だったが、一生の間に何度も考えなくてはならないことを、
私は、チカップ美恵子さんに教わった。
 心から感謝している。
                      (ハラレにて)     

写真は、「送る会」の発起人代表 植村佳弘さんから参列者に渡された

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コメント

道立近代美術館にて

今日、美術館へ行きました。本は持っていますので作品はいつも見ていましたが、まじかで見た作品は、本より格段素晴らしいもので、失礼ながら感動いたしました。刺繍の美しさは類を見ません。同じ人間の手から、どうしてあれほど美しいものが生みだせるのかと、色使いといい私の好きなものが多く、暫くその場に立ち尽くしてしまいました。私も最近かじり始めたところです。足元にも及ばないことはわかっていますが。これから勉強しようと思っています。これからも私たちアイヌ刺繍を愛するものに感動を与えてください。

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