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■ ラマダン 

 9月はイスラム教徒にとってラマダンの月だ。
 南アフリカには iTV というイスラム教のテレビ局があり、チューナーさえあればハラレでもこのチャンネルを見ることができる。キリスト教のチャンネルのほとんどは、ステージでゴスペルを歌い教義を説くという構成だが、iTV にはモスレムの料理や暮らし、自然界の不思議を解く番組等があり、興味深い。

 今月は、世界各国のイスラム教徒がラマダンを迎えている様子が放送されている。食料を売る店、果物をふんだんに使った菓子が並ぶ店、日没後の団らんのひと時、また食事のメニューなど、夏に向かう国もあれば、秋を迎えている国もある。

 ジンバブエに来てまだ間もない頃、アジア人が多く住むエリアで、偶然、ある家の夕食時の光景を窓ガラスの向こうに見た。厳粛な雰囲気があり、今まで見たことのない感じがした。今思えば、イスラム教徒の家庭で、ラマダンの夜だったのかもしれない。

 iTVで、ラマダンの様子を見るたびに、行ったことのないイランやレバノン、パレスチナのイスラム教徒の家庭にホームスティさせてもらい、色々なことを教わりながらラマダンの1か月を一緒に過ごしてみたいと思う。
 
 ある日、元気のいい小学生の男女4人がスタジオでラマダンについて教わる番組があった。
 「ラマダンの日数は?」という先生の質問に、ハーイ!と手をあげて「29~30日でーす。」と快活に答える。
 「断食の時間帯は?」「日の出まえから日没までです。」と答えているが、子どもの場合は無理のないように、年齢や体調に合わせて決めているようだ。
 「あなたの断食は1時間からね」と男の子が先生に言われて、笑いがおこる。

 私のホームスティは、なかなか実現しそうにないが、この番組を見ていて、断食なら今からでもできると思った。日の出に紅茶を1杯のみ、日没後まで何も口にしないことにしよう。

 はたして私の断食は、1週間しかもたなかった。
 それでも、外を歩いていると、花の匂いが体の中まで入ってくるような気がし、背中が軽くなった。空腹のつらさがわかる。水やパンの味に感激し、今まで以上に食べ物があることを、ありがたいと思うようになった。

 今日はラマダン最後の日。世界中のあちこちで人々が食事を分け合い、さまざまな事情で十分な食事を得られない人たちに深い祈りが捧げられている。

ジンバブエ 高橋朋子

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