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■ 釣銭のない国  

 今年の初めに発行された紙幣は、2週間くらいしか効力がなかった。
効力というのは、使えるかどうかということで、「そのお金は困る」
と言われれば、買い物はできない。
今やジンバブエドル札が使えるのはバス代だけで、それも1区間3兆
ドル、使われている札は昨年発行されたものである。

この国のお金は、今や完全に米ドルとランド(南ア)にとってかわっ
てしまった。
スーパーマーケットでは、破れたり古くなった札を受け取らないので
アメリカ大使館に問い合わせが殺到しているらしく、ラジオで『大使館は札の交換はしていません。破れていても1/2以上あれば、価値は同じです』と流す始末だ。

問題は釣銭がないことである。札も不足しているが、1ドル以下のコインがまったくない。で、お釣りは飴玉で渡される。それも1個20円の計算だ。

そんな飴玉を買うくらいなら、アボガドかバナナの方がいいとまた売り場に戻って、おつり分の果物を計ってもらいレジに戻る。
そんな人が多いので、レジのあたりには、いつも人でいっぱいだ。

お釣りの分、何かを買おうと売場のあちこちに行っている間に、レジのカウンターに置いた自分の品物が他の客の袋に入れられたりすることがよくあるので注意も怠れない。

飴玉はいらないという人用に、スーパーのレジの近くにはチューインガム、ポテトチップス、ミント味の飴、一口ビスケット、チョコレートバーなどのおやつ棚ができている。これが今のジンバブエの釣銭だ。                  
                         高橋朋子

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