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■ アフリカに向かうアジア人  

3月20日、いつものようにキャセイ航空でハラレに戻った。

香港からは13時間近く座っていなくてはならないので、足元のゆったりした非常扉の横の座席があればと思い、香港の空港のカウンターで聞いてみた。
希望のところは空いていないので、この座席に座るようにと新しい番号を書き入れてくれた。

その座席に行くと、すでに10人以上の女性のグループが固まって座っていて、中のひとりが私を見て激しく抗議をはじめた。きっとここは私たちの席だと言っているのだろう。鞄を座席に置いて、”絶対に動かない”という表情をする。

横にいたスチュワーデスが、この言葉でコミュ二ケーションできるかと英語で聞くので、横に首を振ると、自分もわからないと言って別のスチュワード(男性)を呼びに行った。

グループは中国人で、年長の女性が大きな声で怒り続けるので、一体何事かと他の客の目を引き、スチュワードもあまりの勢いになかなか話に入れずにいる。

何かの間違いで座席がダブっただけなのだ。

騒ぎが収まらないので、私は、スチュワーデスに
「通路側であれば、どの座席でもかまわない」と言って後部に移った。

機内食のあと、あたりが何だかざわつきだした。

食器を集めにきたスチュワーデスが、通路をはさんで反対側に座っていた一団に「皿はどこ?」「カップはどこ?」と身振りをまじえて何度も聞いている。
スチュワーデスに戻したトレーに、食器がひとつも載っていないのだ。

一団は最初、意味がわからない様子だったが、スチュワーデスがカップや皿を見せながら聞くので、まとめてどこかに置いてあった食器をしぶしぶ出しはじめた。

飛行機のなかでは、色々な人をみかけるが、こんなに大人数で食器を全部持ち帰ろうとする人たちは初めてだった。
ひょっとしたら、食事のように食器も客のものと思っていたのかもしれない。

ヨハネスバーグに到着し、国際線乗換の荷物検査のところに行くと、座席の抗議をしていたグループと食器の一団が一緒に列に並んでいた。
一行は同じところに向かっているようだった。

座席のことをあれだけ頑張って言い張る人たちと、食器を全部持っていきたいと思う人たちは、南アフリカでなく、向かっているのだろう。聞いてみたいが、残念なことに共通の言葉がない。

私は列に並び背伸びをして前の人のボーディングパスを覗き込んだ。行先は、以外にも ル ワ ン ダ だった。


ルワンダとコンゴとの国境では「紛争」が起きている。あたりの豊富な鉱物資源がその原因だ。いや資源が原因なのではなく、それを手に入れようとする人たちが「紛争」を作っている。

はたして、あの人たちは、ルワンダでどんな仕事をするのだろうか・・・・と考えるのである。

                  ジンバブエ   高橋朋子

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