■ 遠くにジャカランダの紫の花を眺めながら
ハラレで開催されたトラベルエキスポで、「地球の歩き方」という
旅行者向けの本のジンバブエを担当している女性に
会った。6月に東京で、この本の編集部の人とアフリ
カ関係の催しで会ったのがきっかけである。
「ジンバブエの話を色々と聞ければ・・・」と、その女性に
電話をもらった時、私は14~15年前のことを
思いだした。
「地球の歩き方」が、ジンバブエという国を紹介する
ことになったので、その取材をしているというSさんと
いう女性が訪ねてきて、印象に残っていたからだ。
その頃、ハラレの中心街にあるファーストストリートでは、
マサイサイという男性2人のバンドが手製のドラムセットを
叩き、ギターをひいて毎日歌っていた。
2人とも盲目で、10歳くらいの息子が父親の手を引き、
また観衆からお金を集めていた。
この2人組は、歌も演奏も上手く、レコードも出しており、
人々は足を止めて聞き入ったものだ。
Sさんは、マサイサイが演奏する様子を描いて、当時
私が発行していたミニコミ誌「マングゥワナニ」に投稿して
くれた。アフリカの人に対する敬いがある絵で、
紙面で紹介させてもらった。
Sさんは、ゆっくりとジンバブエを旅してまわり、再会した
時にはンビラを持っていた。
旅をしている間に教わったという曲をひいて
聞かせてくれたものである。
この14~15年の間に、世界はずいぶんと
変わったような気がする。
今や、携帯電話とデジタルカメラがなければ
取材はできないかのようだ。
遠くに紫のジャカランダが見えるエキスポの会場の
ホテルでその女性に会い、ジンバブエのここ数年の
変化について話をしながら、
私は、15年前の日本と今の日本を、心の中で
何度も往復した。
(ジンバブエ 高橋 朋子)
- [2007/10/18 22:12]
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