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■ セルフビルディングのジャナグルアートセンター 

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4月、5月とジンバブエを留守にした間に、アートセンターは
建物の内壁のプラスタリングが進み、屋根に材木が組まれていた。

順調に進んでいるように見えたが、よく見ると、ガラスを
入れるだけになっていたメタルの窓枠がはずされ、
ドアのフレームもなくなっている。また、スタジオ内の
ガラス窓のサイズもひとまわり大きくなっていた。

*


マルンガが、音楽業界で30年以上働いているセクル(翁)に
スタジオを見てもらったところ、窓のフレームはアルミ
サッシでなければ音が漏れるというので、幅の広いサッシに
変更したという。値段もサッシだと数倍の高さだ。

最初にアドバイスを依頼したスタジオのことも知っていると
いう建築関係者の知識には誤りがあったらしい。
ここでは、どれが正しい知識なのかは、自分でじっくり考えて
選んだり決めたりしなくてはならない。
なぜなら、誰もが自分の知識は正しいと自信たっぷりに
主張するし、たとえそれが結果的に誤りであろうと、
「すみません」と言えば、まだ良い方で、たいていが
「何かの間違いでしょう」で終わってしまう。

ジンバブエ国内には、お手本にできる
まともなレコーディングスタジオなど1軒もなく、
私たちは手さぐりで建設を進めているのだ。

誤りに気づいたなら、速やかに軌道修正するしかない。
そうしなければ、いつまでもゴールにたどりつけないのだ。


アートセンターは、ここではセルフビルディングと
呼ばれる方法で建てているということは、前にも書いた。

建設会社に図面を渡して依頼し、その会社が材料を
すべて揃え、職人がやってきて建てるのではなく、
一品ずつ少しでも安くて品質の良い材料を自分たちで捜し、
少しでも腕の良い職人を捜してきて
建てている。
そうしているのは、建築費を節約するためで、
そうすることにより、会社に依頼する3分の1の費用で
済むはずなのだ。

    混じり物がない砂や小石を捜して5立方m単位で買い、
    運搬用トラックを捜して値段を交渉して運び、
    本物のセメントを捜して5袋ずつ買って運び、
    煉瓦を買い、その煉瓦をトラックの荷台から降ろして
    きれいに積み上げることができる職人に頼んで敷地に
    降ろし・・・・という具合だ。

マルンガは、昨年9月から音楽活動を休止して、
毎日、センターに通い、この仕事を続けている。
それもガソリンがあれば、で、ガソリンがない場合は、
まず、ガソリン捜しからはじめなければならない。

材料を買う場合、ここでは、お金を前払いしてしまうと
品物が届かないことがあるので、CODと呼ばれる、
”配達時に現金払い”が原則だ。

私が留守にしていた2ヶ月の間に、
煉瓦の積み方がきちんとしていなかったのだろう、
ねじれや、垂直になっていない箇所がみつかり、
壊しては、積み直しをしたらしい。
敷地を囲む塀や、セキュリテイガードの休憩所を建てても
まだ余りあるはずの4万8千個の煉瓦が
なんと残りわずかとなっていた。

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