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■ 南半球は 秋から冬に入りました 

  5月27日、千歳空港の国際線の一角は何があったのだろうと
 思うほど混雑していた。千歳から北京に直行便が飛びはじめ
 観光客が一気に増えたのだろうか。
 中には、フィリピン人のメイド2人に子守りをさせて移動している
 韓国語を話す夫婦もいて、時間がかかりすぎると大声で係の人に
 文句を言っている。
 
 ジンバブエでも、白人の家族が子守りのために黒人のメイドと一緒に
 移動しているのをよく見かけるが、隣の国まで、というのはあまり
 聞かない。隣の国でも、メイドはすぐに”調達”できるからなのだろうか。

 今回、アート展に来てくれた人たちのなかで、「ブラックダイアモン」
 という映画を見たという人が何人かいた。
 
 ジンバブエを植民地にしたのは、日本のテレビでも宣伝が流れている
 レ・ビアスというダイアモンド会社の創始者セシル・ローズである。
 南アフリカで発掘されたダイアモンドを追って北上し、この地を
 植民地にしてローデシア(”ローズの土地”という意味)と名づけた。
 そのブラックダイアモンドという映画の主人公は、ローデシアで
 生まれらしい。
 機会があれば見たいと思っていたら、ちょうどキャセイ航空の機内で
 上映される映画のリストにその映画が入っていた。
  日本映画は「硫黄島からの手紙」である。
 これは2本とも見るぞ、と、張り切ってヘッドホーンをつけて上映
 (といっても前の座席の背についた小さな画面に映るのだが)を
 待った。が、なんと待っているうちに眠ってしまった。目を覚ました
 時には、もう香港に着陸体制に入ってた。
 ドラゴンがゆっくりと煙を放ちながら飛んできそうな
  香港の夜景である。
 
 空港に到着し、携帯電話を売っている店に急いだ。
 まずは一言、「昨年の8月に買った携帯電話はすぐにダメになった。
 あんなのでは困るのです」と店員に言う。
 「そういう場合は送り返せばいいのに・・」という返事を
 片耳で聞きながら、私は魚でも見定めるように携帯電話の
  裏と表をひっくりかえしてながめ、2台選んだ。1台は自分用、
 もう1台は頼まれていたものだ。
  また使えなくなった場合は、2週間後に返品に来よう。
  乗り継ぎ時間が短いので、ゆっくり選んでもいられず次の
  ゲートに向かった。
 
 香港からヨハネスバーグまでの便は珍しく空いていた。
 今度こそ見ようと思っていた映画も待てず、
  私はまたもや眠りこけてしまった。
 目を覚ますと、画面の飛行機がマダガスカル上空にある。
  もうマダガスカル島まで来たのだ。窓の外はまだ暗い。
 
 しばらくすると、夜が白ばんできた。オレンジ色の朝日が窓から
 差し込んでくる。
 ヨハネスバーグは朝6時をまわり、気温は摂氏7度だと言う。
 秋は過ぎて、もう冬の寒さなのだ。
 空港の外で働く人達はみなオーバーを着ている。
 人気のDJの顔が大きく描かれた黄色のバスは、工事現場のような
 空港の敷地をぐるぐる走り、鉄条網のついたコンクリートの壁の横を
 通って空港の建物に着いた。
 この空港は2010年まで眠らずに音をたてつづけるのだ。
 私は、ふと、行ったことのないパレスチナを思った。
 イスラエルがパレスチナに建て続けている灰色の壁は、
 こんなものではなかろう、と。
 
 ヨハネスバーグからハラレまでは、わずか90分。
 朝陽を受けた黄金色の草原に、巨石が点在しているのが見える。
 あの作品のような巨石郡をみると、ジンバブエに帰ってきたと
 いう実感がわいてくる。

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