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■ MOSI-OAーTUNYA (モシ オア トゥンヤ) -2- 

 ビクトリアフォールズ駅を右手に、線路をわたって
ゆるやかな坂を下っていくと、左側に国立公園の
入口がある。
 入園料を払って、ゲートをくぐり雑木林の中の道を
しばらく歩いていくと、「ゴォーーーーーッ!」という
地響きのよう轟音が聞こえてきた。
 
 更に道を進んでいくと、急に視界が開け、抜けるような
青空の下に、幅が1km以上あるザンべジ川が見え、
向こう岸には隣国のザンビアが見えるはずだった。
 
 しかし、それは乾期に限ったことで、雨期の今は
なんとザンベジ川のほんの一部しか見えない。
 それどころか、場所によっては風向きが変わると
水しぶきで、数メートル先も見えなくなるのだ。

ビクトリアフォールの姿


じーっと見ていると、水煙の切れ間に、ぼんやりと
人の姿が見える。空中に浮いているようだが、
ザンビア側の島で滝を見物している人達なのだ。
 うっすらとでも遠くが見えると、自分が驚くような
スケールの自然の中にいるということがわかるが
見とおしがきかないので感激もゆるやかだ。
 
 これがもし乾期だったらどうだろう。

 青空の下、ザンベジ川が(よく見ると川沿いを象が
歩いているかもしれない)、目の高さから地球の割れ目の
ような谷底に水しぶきを上げて落下しているのが見え、
その上に、虹が出ている!
 向こう側のザンビアが見渡せ、こちらと同じ高さで
滝を見物する人達が見える。私達が生きている地球は、
なんて素晴らしいんだろう。
 おそるおそる滝の底をのぞき込むと、水が渦巻いて
いて、深さは100m以上だ。この轟音は、何百年、
いや何千年とこのあたりに轟きわたってきたのだろうか。

 のぞきこむのもためらうような深い滝に、アメリカや
ヨーロッパから冒険野郎がやってきて、ドラム缶に
体を入れたり、色々な方法で谷底に下りようとしたらしい。
しかし、これまで生きて帰ってきた人は一人もいないと言う。
                       つづく

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