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ジャカランダのジンバブエ 

jenaguru Arts Centre equipment 067

こちらはジャカランダの花が咲き始め、そのあとに咲くはずの
黄色のアカシアも咲き始め、そのずっとあとに咲くはずの栴檀も
咲き、熱いブーゲンビリアは今月も咲き、アートセンターの近くは
花でいっぱいです。こんなに同時に咲いて心配になるほど。
今日は気温も上がり、いよいよ夏の到来です!
土曜日の練習の後、センターの前でボブ・マーリィのカンガをぐるりと
巻いたミセスパカイパに髪をドレッドにしてもらうティチャファラ君。
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■ ガボンという国 

日本の衆議院選挙の日、アフリカのガボンでも大統領選の投票が行われた。

 ガボンは、アフリカ大陸の西側、赤道のあたりに位置する海に面した国で面積は日本の10分の7ほど、フランスの元植民地で石油、マンガン、ウランなどの産出国である。

 選挙は41年間大統領の座にあったオマール・ボンゴが7月に亡くなったために行われ、候補者はボンゴの息子のアリ・ボンゴの他に18人いたが、ボンゴ一族の支配を終わらせるために団結しようと、うち15人が投票日の1週間前に候補から降り、最終的には4人の戦いとなった。

 戦いと言ってもテレビで見る限り、首都はボンゴの巨大なポスターばかりで、公平さは感じられなく、選挙運動にはガボンで人気のあるラップのミュージシャンを使っている。

 故ボンゴは、フランスに宮殿のような家をいくつも所有し、国家予算を使っている疑いがあると調査するジャーナリストもいる。息子のアリはフランスで育ち教育を受けたため、自分の民族の言葉は話すことができない。父親に28歳で外務大臣に任命され、父親が亡くなった時は、軍の指揮官だった。


 投票から4日後、当選者はアリ・ボンゴと発表があった。残る候補者3人が開票結果は納得できないとすぐに再カウントの訴えがおこしたが、ボンゴは自分が大統領であると勝利宣言、各地で40年以上続いたボンゴ政治に反発する人々が道路にバリケードを築いたり、ガソリンスタンドに火をつけ、軍の出動となった。

 人々の怒りが爆発したとき、いち早く船で沖に出て別の町に避難した一行がいる。ガボンの石油を吸い上げてフランスに送り出す、いわばストローのようなフランス人だ。
 ガボンの石油はフランスに運ばれ、毎年一定の額が支払われているらしい。ガボンには中央銀行もないという。


 手元にある1982年版の現代用語の基礎知識の付録、世界時事ニュース地図を見てみた。このころ、アフリカでまだ独立していないのは南アフリカとナミビアだけである。
 
 統計は78年頃のもので、当時アフリカで一人あたりの国民所得が日本の10%を超える国は観光国のセーシェル20.6%、モーリシャス15.3%、鉱物の豊富な南アフリカ25%、ナミビア(当時は南アフリカの植民地だった)が17.9%、石油の産出国ナイジェリアでさえ9.9%だ。なのにガボンだけが突出して54.8%となっている。間違いでは?と思うような数字だ。

 これだけ所得があるのであれば、30年を経た今、せめてインフラくらいは整備されているはずだ。なのに、人々の暮らしは貧困のうちにある。


 41年間同じ大統領で、息子がまた大統領になった国ガボン、選挙後の暴動のことは、フランスのニュースで少し報じられただけで死者の数も定かではない。
 2週間が過ぎた今日、ガボンで投票用紙の再カウントが決まったというニュースが流れた。

 ガボンに対しては”民主化”を押しつける国も出てこなければ、緑やオレンジに旗の色を統一してレボリューションを叫ぶ”改革派”も出てこない。

 同じ大統領が何十年その座にいようが、問題ではないのだ。資源を吸い上げるストローがどこにつながっているかで”独裁者”にもなり”国民の父”にもなるのだ。

 

■ ラマダン 

 9月はイスラム教徒にとってラマダンの月だ。
 南アフリカには iTV というイスラム教のテレビ局があり、チューナーさえあればハラレでもこのチャンネルを見ることができる。キリスト教のチャンネルのほとんどは、ステージでゴスペルを歌い教義を説くという構成だが、iTV にはモスレムの料理や暮らし、自然界の不思議を解く番組等があり、興味深い。

 今月は、世界各国のイスラム教徒がラマダンを迎えている様子が放送されている。食料を売る店、果物をふんだんに使った菓子が並ぶ店、日没後の団らんのひと時、また食事のメニューなど、夏に向かう国もあれば、秋を迎えている国もある。

 ジンバブエに来てまだ間もない頃、アジア人が多く住むエリアで、偶然、ある家の夕食時の光景を窓ガラスの向こうに見た。厳粛な雰囲気があり、今まで見たことのない感じがした。今思えば、イスラム教徒の家庭で、ラマダンの夜だったのかもしれない。

 iTVで、ラマダンの様子を見るたびに、行ったことのないイランやレバノン、パレスチナのイスラム教徒の家庭にホームスティさせてもらい、色々なことを教わりながらラマダンの1か月を一緒に過ごしてみたいと思う。
 
 ある日、元気のいい小学生の男女4人がスタジオでラマダンについて教わる番組があった。
 「ラマダンの日数は?」という先生の質問に、ハーイ!と手をあげて「29~30日でーす。」と快活に答える。
 「断食の時間帯は?」「日の出まえから日没までです。」と答えているが、子どもの場合は無理のないように、年齢や体調に合わせて決めているようだ。
 「あなたの断食は1時間からね」と男の子が先生に言われて、笑いがおこる。

 私のホームスティは、なかなか実現しそうにないが、この番組を見ていて、断食なら今からでもできると思った。日の出に紅茶を1杯のみ、日没後まで何も口にしないことにしよう。

 はたして私の断食は、1週間しかもたなかった。
 それでも、外を歩いていると、花の匂いが体の中まで入ってくるような気がし、背中が軽くなった。空腹のつらさがわかる。水やパンの味に感激し、今まで以上に食べ物があることを、ありがたいと思うようになった。

 今日はラマダン最後の日。世界中のあちこちで人々が食事を分け合い、さまざまな事情で十分な食事を得られない人たちに深い祈りが捧げられている。

ジンバブエ 高橋朋子

■ 今、咲いている花、香る花 

 今日は、水の冷たさが気持よく感じられるほど
気温が上がった。昼間は半そでで、裸足にもなれる。
 ハラレの空港に降り立った時、ここにしかない匂いに
足を止めた。春に咲く花の香りでできたやわらかい
ボールのようだった。暖かくなって、いっそう香り
立っている。
 今、咲いている花の写真です。
アボガドの花

アボガドの花
今年はたっぷり雨が降ったせいだろうか。どの木も
花でいっぱいだ。一房の花から数個が実になる。
最初は木琴のバチのように丸い実が、次第に細長く
なり、3~4か月くらいで最大になる。

アプリコットの花は梅に似た香り

アプリコットの花は梅に似た香り


象の鼻先に咲くかのような、赤いバナナの花。 1本の木に花はひとつしか咲かない。

象の鼻先に咲くかのような、赤いバナナの花。
1本の木に花はひとつしか咲かない。


マンゴーはアボガドと同じように、一房の うち、数個が実になる

マンゴーの花。アボガドと同じように、一房の
うち、数個が実になる。



レモンは花だけでなく、葉っぱも香る。

レモンは花だけでなく、葉っぱも香る。


ジャスミンの甘い香りは日が落ちてもあたりに立ちこめている。

ジャスミンの甘い香りは日が落ちても
あたりに立ちこめている。


■ 2009年、ジンバブエの春 

 こちらに戻ってしばらくは、日本が夢のように感じられ、
また落ち葉が舞い散る広々としたジンバブエも夢のように
感じられ、宙に浮いているようだったが、そんな状態は
長くは続かない。

 マーケットに行ってみると、品物の値段は相変わらず高く、
少し安くなっているのはビスケットくらい。ジンバブエ製の
食料は更に減り、南アフリカ製のものが更に増えている。
 美味しかった100%レモンのジュース、純粋ピーナツクリ
ーム、チリソース、野菜の種や花の種はどこにいったの
だろう?今、出回っている輸入品は、ジンバブエ製の何倍もの
値段で、一般の人たちの手には届かない。
    

 こちらは、8月2日から3学期が始まる。
先月、政府は公立学校の授業料を1学期分2000円にすると
発表したらしい。ジンバブエでは、日本のように「義務教
育」という呼び方はなく、生徒は1学期分ずつ授業料を納め
て授業を受けている。

 2008年ころから、国の予算がないということで、公立の
学校は学校運営の費用を生徒の授業料でまかなわなくては
ならなくなり、中には1学期分の授業料を3万円~5万円に
上げる学校もあった。

 こんなに高くては学業を続けられる生徒はわずかしかい
ない。国民からの強い不満の声に、政府は授業料の額を
新たに決めたのだろう。

 この先、どうなるのだろうと思っていると、新学期を
数日後に控えた昨日、教師組合の声明がラジオのニュースで
流れた。

 これまで政府は公務員に対して「財政がひっぱくしている
ので、昇給は待つように」と理解を求めてきたが、最近、
暫定政府の閣僚らに公用車として新たにベンツを購入するなど
したらしく、そのことが、教師の怒りをかったのか。

 声明の内容は、「我々は数回にわたり、政府と交渉して
きたが、得たものは" 約束 ” だけだった。新学期まで政府から
プログレッシブ(進歩的)な回答が出なければ、生徒らが影響
を受けるだろう」。
 女性の力強い声だった。この2~3か月、交渉は何も進展して
いなかったのだ。

 ジンバブエでも豚インフルエンザの感染者が出始めている。
同じような理由から、医師もストライキ中だ。